子宮頸がんワクチンの定期接種について

 子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)感染により発症するため、ワクチンによって防御できる病気です。世界中でこのワクチンは普及し、接種率の高いオーストラリアでは近いうちにこの病気の撲滅に近づくとされています。しかし、わが国では毎年1万人がこの子宮頸がんにかかり3000人が亡くなっていて、残念なことに近年、若者を中心に増えています。先進国で増えているのは日本だけでとても恥ずかしい状況にあります。これは、偏にワクチン拒否から起きた事態なのです。           

 なぜ日本人はワクチンを打たないのか? このワクチンによる副反応とされた疼痛、失神はこのワクチン特有のものではないと学問的には結論付けされました。どうか噂に左右されず、学問的事実を確認し自分の判断を下していただきたいと思います。どのワクチンでも副反応は有りますが、重大事象は飛行機事故と同率だとされます。飛行機には平気で乗れる人がワクチンを怖がるのはどうしてでしょうか? 子宮頸がん発症は30歳代が一番多く、しかも発症の初期では無症状であるのがこの癌の特徴です。症状が出てからの発見では子宮は残せません。晩婚、晩産が多いわが国において、妊娠を希望しようにもそれが叶わない現実を体験している人が少なくないことを知って欲しいのです。当院でも不妊で受診されたが方が念のために行ったがん検診で癌とわかり、妊娠を諦めた方や妊孕性温存手術を受け1年遅れて不妊治療に入った方がおられます。

 現在、わが国では子宮頸がんワクチンは小学校6年生から高校1年生までを対象に定期接種化されています。将来に備えワクチンを接種しておかれるようお勧めします。当院では、産婦人科医の立場でしっかりとご説明をさせて戴き、理解を深めてもらえるよう努めています。まず、親子でご相談に来られるのでも構いません。是非、ご検討をお願いいたします。接種は計3回必要ですが、15歳までの方は2回でいいとされます。以下に接種のスケジュールをお示しします。

院長   可世木 博