子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の救済措置期間が残り少なくなりました。この救済によって3回接種で10万円かかるものが無料で受けられるのですが、これを放棄することになるので今一度検討してはいかがでしょう?
子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウィルス)感染により発症するため、ワクチンによって防御できる病気です。世界中でこのワクチンは普及し、接種率の高いオーストラリアでは近いうちに撲滅に近くなるとされています。日本の子宮頸がん発病率は東南アジアより高く、さらにアフリカの発展途上国はがん検診する施設もないので、ワクチン1回接種(本来は3回)で発症を減らそうとしている国もあるのですが、それらの国よりも高いとされるなど、日本は後進国でとても恥ずかしい状況にあります。傾向として発病率が先進国ほど低く、後進国ほど高いのはワクチンの普及率そのものの影響とされています。しかし残念ながら日本では毎年、子宮頸がんに1万人がかかり3000人が亡くなっています。
なぜ日本人はワクチンを打たないのか?このワクチンによる副作用とされた疼痛、失神はこのワクチン特有のものではないと学問的には結論付けられました。どのワクチンでも副反応は有りますが、重大事象は飛行機事故と同率だとされます。飛行機には平気で乗れる人がワクチンは怖がるのはどうしてでしょうか?
HPVワクチンは定期接種に入っていましたが、国が積極的推奨を9年近く中断していたため現在18歳から26歳までの方はほとんど接種していません。国は2年程前、推奨を再開し現在、中・高校生は無料で接種しています。中断していた期間、接種してない18歳から26歳までの人達も救済処置(キャッチアップ)として3年間、無料で接種できるのです。その期間も来年3月までです。3回接種するには、2回目が2か月後で3回目が6か月後ですので半年かかることを考えると、今年の8月までにスタートしておかなければ無料で完遂することができません。
対象年齢の方は是非、今一度、検討してください。娘さん等をお持ちの方は、親としてどう判断されるかお考え下さい。因みに自分の家族や関係者には接種させています。
院長 可世木 博